唐揚げやクリスマスケーキをテーブルに並べて祝い、片付けてから二人でふろに入った。
そのあと樹が眠ったのを見計らって、隠していたプレゼントの包みをそっと枕元に置いた。

樹には、ことあるごとに何が欲しいか尋ねていたが、女手ひとりで樹を育てる綾乃への気遣いからか「サンタさんに頼むからいらない」の一点張りだった。

どうしたものかと綾乃は悩み、結局、夏ごろに欲しがっていたスイッチと、小学校一年生でも楽しめそうなゲームを調べてソフトを二つ同梱した。

樹の部屋のドアをそっと閉じ、リビングの部屋の明かりを落として冷やしておいたワインをグラスに注ぐ。いつも以上に忙しい一日だったせいで一気に酔いが回って、すぐにリビングのテーブルに突っ伏してウトウトし始めてしまった。


───あたしは、プレゼントをもらえるとしたら何が欲しいかな・・

半分眠った意識の中で綾乃は考えた。

───溺愛・・・かな。なんてね。


「綾乃さん、よく頑張ってるんだね」

やわらかな、あの男の声を思い出す。

「今日は俺に溺れて、大変な毎日を今だけでも忘れてほしい」

金髪の前髪の隙間から覗く茶色い瞳と、滑らかな肌。

「ごめんね。会ったその日にこんなことする男、いやだよね。でも俺、我慢できない。綾乃を今だけでも自分のものにしたい」

綾乃はうなずいた。


・・・彼とはもうきっと、会えることなどない。
なぜならあの人は、年が違いすぎる。それに、天と地ほどの、別世界に住む人なのだから。


冷気が窓から吹き込んで、パジャマ姿の綾乃の体を撫でた。

綾乃はまどろみから戻り、目を開いた。

ふと顔を上げると、赤いサンタの帽子をかぶった男が、綾乃を見下ろしている。