未来なんて壊れてしまえば良い。暗い暗い夜道に放り出され、私は一歩二歩と歩き続ける。真冬の2月にネグリジェ1枚で夜に徘徊する女の子を観て周囲は目をそらす。また足にガラスが刺さった。あぁまた刺さった。私はスキップしだす。そうあの角の交番に行けば保護してもらえる。やっとやっとあの地獄から抜け出せる。足はもう痛くなかった。ヘンデルとグレーテルのクッキーみたいに血痕が通り道を示す。あと少しあと少し開放感でいっぱいだった。もう少しで自由になれる。毎日怯えながら布団に入ることも、食事を抜かれることも、友達との交流を制限されることも、理不尽に怒鳴られることも、日々馬鹿にされ笑われることもなくなる。あともう少しあともう少し。ドアが開いた。目の前には車。袋地のお向かいさん。あぁ私は縋るしか無いんだね。どこに行く気力も助けを求める気力もない。逃げるだけの理由もない。だって私は恵まれているのだから。玄関の明かりが嫌だ。家族のために泣き喚くこともせず、近所から見えない所で隠れているのが嫌だ。誰か気づいて。そう願うこともいけないことのように感じた。