世間には慌ただしい用務が充満しておるが、折しも雑司ヶ谷の方へ足を延ばす機会に恵まれた。行く先は、かの鬼子母神。古来より信仰を集めるこの地に、我輩はふらりと立ち寄ったのである。
境内に聳え立つ大銀杏の偉容には、思わず鼻をひくついた。樹齢六百、いや七百年とも称せられる代物で、一体全体、斯様な昔となると、世は太平記の時代、足利尊氏が天下を席巻せし頃合かと、無意味な思索に耽る。事の真偽は兎も角、斯様な長寿を保つ植物を前にしては、人間の営みなど、一場の夢幻の如く儚いものよ。
さても、かの真田広之演ずるところの足利尊氏の如き男ぶりは、実に洒脱にして高踏。現代の俳優をして往時の英雄を語らしむる、その風情、悪くない。
そういえば雑司ヶ谷って漱石のお墓あるな、て
それっぽく(笑)