朝から風がとても冷たいです。
もう、10月も終わりです。

そろそろ「冬」を
意識するようになりました。

今日は、初恋の日です。
島崎藤村の詩「初恋」が発表されたのが、
明治29年(1886年)10月30日でした。
それにちなんで、
初恋の日になったようです。

「初恋」
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人にひ初めしはじめなり

わがこころなきためいきの
その髪の毛にかかるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

五七調のリズムが、いつも甘く心に響きます。少年を酔わせた初恋の美酒、
いったいどんな味だったのでしょうか。

私は、きっと林檎の味のような気がします。
甘酸っぱい味、
シャキッとしてキレのある溌剌とした味、
まだ青さの残る爽やかな味。
恥ずかしそうに頬を赤らめる純真な赤。
淡く切なく瑞々しい恋心。
「初恋」とは、
林檎のように可愛らしい恋
だったのではないかと思いました。